慢性炎症と生活習慣病の関係

炎症とは、微生物による感染や組織のダメージに対する生体の防御反応で、大きく2つに分類されます。

急性炎症

  • 急激な炎症反応が短期間(数日~数週間)で収束します。
  • 感染に対する主要な防御反応であり、損傷の治癒を促進する要因でもあるため、生体にとっては「良い炎症」です。

慢性炎症

  • 緩慢な炎症反応が長期間(数ヶ月~数年)持続します。
  • 慢性炎症は、気付かぬうちに体内で進行し、さまざまな慢性疾患の発症や進展に関与する「良くない炎症」です。

良くない炎症の「慢性炎症」は、非常に弱い炎症を繰り返しながら、じわじわと身体を蝕んでいきます。気付かないうちに進行してしまうことが非常に厄介で、そのまま放っておくと重大な病気につながるリスクがあります。

近年、メタボリックシンドロームや心血管疾患、そして認知症など一見まったく別の病気でも、共通基盤として慢性炎症があることがわかってきました。また「何となく調子が悪い」「やる気が起きない」というような病気ではない不調の原因も、慢性炎症ではないかと言われています。

【出典】「体内の「炎症」を抑えると病気にならない!」池谷敏郎著、三笠書房、2020

臨床試験結果臨床試験結果

炎症の改善作用

ターメリックが慢性炎症に及ぼす影響を調査するため、50~69歳男女を対象に12週間の臨床試験を実施しました。ターメリックエキス(指標成分:ビサクロン 400μg 、 ターメロノール類 100μg)を含む試験食を摂取するターメリック群とプラセボ群の2つに分けて、炎症の程度を示す指標(高感度CRP)の測定を行いました。

その結果、ターメリック群の方がプラセボ群よりも高感度CRP値が低い傾向であることを確認。試験食を摂取してから8週目と12週目で有意に低いことが認められました。 このことから、ターメリックエキスが慢性炎症を改善する可能性が示唆されました。

高感度CRP値(摂取前からの変化量)

【出典】
Nutrients. 2019; 11. pii: E1822.

血糖値の改善作用

メタボリックシンドロームの関連因子のひとつであり、慢性炎症とも関連のある血糖値に及ぼす影響について確認しました。

ターメリックエキス(指標成分:ビサクロン 400μg 、 ターメロノール類 100μg)を含む試験食を摂取するターメリック群とプラセボ群の2つに分けて臨床試験を行ったところ、ターメリック群の方が血糖値が低い結果でした。検査を行った4、8、12週すべてにおいて低い傾向を確認したことから、ターメリックは血糖値改善にも作用すると考えられます。

血糖値(摂取前からの変化量)

【出典】
Nutrients. 2019; 11. pii: E1822.

<試験概要>

【デザイン】プラセボ対照二重盲検比較試験

【被験者】50~69歳の男女、BMIが23kg/m2以上30kg/m2未満、または血圧が正常血圧~1度高血圧、CRPの値が高い人を優先的に選定

【試験食品】錠剤1日3錠、プラセボ食品またはターメリックエキス 食品(指標成分:ビサクロン400μg、ターメロノール類100μg)

【試験群】(1)プラセボ群、45名 (2)ターメリックエキス群、45名

【摂取期間】12週間(2017年9月~12月)

【試験方法】0、4、8、12週目に、血中のCRP、血糖値を測定

※プラセボ:ターメリック成分(ビサクロン、ターメロノール類)を含 まない、味や見た目がそっくりなもの

※CRP:C反応性蛋白、炎症のマーカー

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