ターメリックとは?

ターメリックはショウガの仲間で、日本名は「ウコン」。香りが良く、苦みと黄金の色が特徴で、根や茎を乾燥させて利用されます。カレーのスパイスとして使われる他に、布の染料やマスタード、チーズなど食品の着色に広く用いられています。

ウコンは大きく分類すると、秋ウコン・春ウコン・紫ウコンの3種類。日本でウコンと呼ばれているものは、一般的に「秋ウコン」を指します。花の色やその咲く時期、抗炎症などに働くウコン成分の含有量など、それぞれ違った性質を持っています。

日本では、昔から沖縄で「うっちん」の名称で親しまれ、食用や薬草として利用されてきました。また、江戸時代に漢方医学の必読書とされていた「本草網目」には、美肌・止血・切傷を治すなどの記載があり、薬効食材としても重宝されていたのです。

世界中で愛される「ターメリック」

今や世界中で愛用されるターメリック。インド、中国、インドネシア等のアジアやアフリカなどで広く栽培されており、日本でも沖縄と鹿児島の一部地域で生育しています。ターメリックは英語名で、和名はウコン、インドではハルディー、中国での呼び名は姜黄(ジャンホワン)です。

日本ではカレーの黄色の印象が強いターメリック。実は、中国やインドでは何世紀も前から肝機能促進や消化促進、関節炎の痛み軽減などや、直接肌につけて化粧代わりにしたり、湿疹や傷を治すなど、美容・健康に役立てられてきたといいます。

1990年代のアメリカでターメリックの健康効果が確認されたことをきっかけに、ターメリック研究が進みました。その後、体内の炎症を改善する作用をはじめ、抗酸化作用や肝臓の保護作用など、ターメリックのさまざまな健康機能・美容機能が明らかになり、サプリメントやドリンク剤などにも活用されています。

【出典】
厚生労働省:【eJIM(evidence-based Japanese Integrative Medicine)】ウコン
「中薬大辞典」 (株)小学館 (1985)
「秘薬「ウコン」で健康革命」、三沢穣著、現代書林、1999
「[生薬]ウコンのスゴイ特効」、糸川秀治監修、宙出版、1997
「生薬単」、原島広至著、エヌティーエス、2007
「ハーブ&サプリメント」、渡邊昌監修、ガイアブックス、2004
「スパイス百科事典」、武政三男著、三琇書房、1981

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Ravindran, P. N., K. Nirmal Babu, and Kandaswamy Sivaraman, eds. Turmeric: The genus Curcuma, CRC press, 2007.

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