ターメリックに含まれる
希少成分「ビサクロン」

ターメリックの栄養成分組成

※ハウスウェルネスフーズ調べ
※国立健康・栄養研究所 「健康食品」の 安全性・有効性情報「ウコン」頁参照

ビサクロンは、ターメリックに少量しか含まれていない希少な成分です。私たちは、このビサクロンの単離・同定に成功し、肝機能の維持に有用である可能性を見出しました。
ターメリックには、まだ人々に知られていない成分が含まれています。そこでターメリックエキスをメタノールで抽出し、いくつかの画分に分けて、細胞実験にて肝細胞傷害を抑制する活性を調べていきました。そして活性が確認された画分について、さらに細かく分画して活性を調べる、というスクリーニングを繰り返し行いました。
その結果、肝細胞傷害を抑制する活性が高い成分として、単離・同定された成分が「ビサクロン」でした。

ターメリックエキスの成分分画と
ビサクロン発見までのスクリーニング(イメージ)

【出典】
Food Science and Technology Research. 2017;23(2):275-281.

健康成分「クルクミン」

多岐にわたるクルクミンの作用

クルクミンは鮮やかな黄色を持つターメリックの色素成分で、カレーに独特の色みを与えています。ポリフェノールの一種に分類されるクルクミンは、ターメリックの主要な機能性成分としても知られています。これまでに抗酸化作用や抗炎症作用、肝臓を保護する作用、消化不良を改善する作用の他、関節リウマチの改善や美肌など、クルクミンの作用は多岐にわたる分野で報告されています。 ハウス食品グループでは、 クルクミンを豊富に含む品質の良いターメリックを作ることを目指して、クルクミンの生合成をテーマにした研究を続けています。

品質の良いターメリックを見つけるための研究

「クルクミンが身体に対してどのような効果があるか?」ということは、沢山の人が研究をしていて、さまざまなことがわかってきています。しかし、「クルクミンがターメリックという植物の中でどのように作られているか?」ということは、長い間、謎のままでした。こんなに有名な成分なのに、こんな基本的なことがわかっていないというのは不思議なことです。私たちは、これがわかれば、クルクミンを多く含む品質が良いターメリックを見分けるのに役立つと思い、研究を始めました。

クルクミンの作られる経路を解明!

ターメリック中でクルクミンが作られる時の材料になると思われた物質について、それらのラベル化合物※を与えてターメリックを培養し、そのターメリックの中で作られたクルクミンを分析することにより、クルクミンの生合成経路、すなわち、材料物質がどのように組み合わさってクルクミンになるかということを解明しました。 クルクミンが作られる経路には2つの仮説があり、これまで30年以上にわたって、どちらが正しいのかわかっていませんでしたが、ハウス食品グループの研究により、正しい経路が明らかになりました。この成果は学術論文として、2008年にBiosci. Biotechnol. Biochem.誌に掲載されました(図1)。

※ラベル化合物:化合物中の一部の炭素(12C)や水素(H)を質量数が異なる炭素(13C)や重水素(D)に置き換えてラベル(目印)をつけ、分析時に区別がつくようにした物質のこと。

クルクミンを作る酵素の遺伝子を発見!

東京大学大学院農学生命科学研究科醗酵学研究室との共同研究で、ターメリックの中でクルクミンが作られる時に働く酵素の遺伝子を発見しました。 ターメリック中では、DCS(Diketide CoA synthase:ジケタイドCoA生合成酵素)とCURS(Curcumin synthease:クルクミン生合成酵素)の2種類の酵素が働く2段階の反応を経て、クルクミンが生成していると考えられます。これらの遺伝子単離に関する研究成果は、学術論文として2009年にJ. Biol. Chem.誌およびFEBS Letters誌に掲載されました(図2)。

ターメリックに含まれる健康成分
「ターメロノール類」

1990年、ハウス食品の研究員らがターメリックに含まれる「ターメロノール類」を発見しました。
当時は「大豆の青臭みを抑える成分」としか認識されておらず、強い抗炎症作用があることは知られていませんでした。

そこから28年の時を経て、ターメロノール類の抗炎症作用が発見されました。体内の炎症を誘導させる「サイトカイン」「PGE2」「NO」の産生抑制に、ターメロノール類が強く作用することが2018年の研究で確認されたのです。

【ターメロノール類炎症改善の作用メカニズム】

【出典】
Food Funct. 2019;10(9):5779-5788.

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